第3回集会

2026年11月2日(月) - 4日(水)

歌舞伎座タワー(東銀座駅直結)(注:歌舞伎町タワーではない)

プログラム(仮)

日程・タイムテーブル(仮)
時間 11月2日(月)研究集会:専門的な圏論午後の座長:星野 恵佑 11月3日(火・祝)一般集会:圏論の幅広い話題午後の座長:鈴木唯乃 11月4日(水)研究集会:Topoi
10:00 10:00–12:00招待講演星野 恵佑圏の二重圏、圏と二重圏 ——形式的圏論と図式 10:00–12:00圏論入門講義東田 京介マジで見て分かる!圏論入門! 10:00–12:00招待講演木原 貴行トポスとロジック途中休憩あり
10:30
11:00
11:30
12:00 12:00–14:00昼休み 12:00–14:00昼休み 12:00–14:00昼休み
12:30
13:00
13:30
14:00 14:00–14:30口頭発表倉橋広季作用代数 14:00–14:30口頭発表神谷幸太郎TBA 14:00–14:30口頭発表豊田陽基Fibered Pretopos Completion
14:30 14:30–15:00口頭発表河瀬 悠人Cocompletion under sifted colimits need not be finitely accessible 14:30–15:00口頭発表渡辺祥則Trasformer の圏論、特にSMCC(対象モノイド閉圏)とマルコフ圏の組み合わせとして と関連研究 14:30–15:00口頭発表赤坂奎茉Ionads : dual for topoi
15:00 15:00–16:00ポスターセッション・休憩 15:00–15:30口頭発表日野 一葉層と数学的構造 15:00–15:30口頭発表鈴木唯乃Gestalt の理論の紹介
15:30 15:30–16:30ポスターセッション・休憩 15:30–16:00休憩・ポスター交流
16:00 16:00–16:30口頭発表藤井 宗一郎Universality of enrichment 16:00–16:30口頭発表市川航士郎TBA
16:30 16:30–17:00口頭発表須田智晴Joining of dynamical systems in Markov categories 16:30–17:00コミュニティ議論 16:30–17:00口頭発表鈴木遥人Virtual ultracategories as generalized multicategories and their AVDC
17:00
18:00–21:00懇親会
発表内容

2026年11月2日(月)

星野 恵佑(京都大学 数理解析研究所)

圏の二重圏、圏と二重圏 ——形式的圏論と図式

講義スライド

圏論において「形式的に従う」とは、何をしていることなのだろうか。本講演では、圏論の概念や推論を2圏や二重圏の中で扱う形式的圏論を通して、この問いを考える。「圏の二重圏」として圏論を記述することと、二重圏をそれ自体一つの数学的対象として扱うことが、同じ図式の操作の中でともに働くことに注目する。

随伴・Kan拡張・モナドの2圏的な記述から出発し、二重圏とその図式的な計算を導入する。関手とprofunctorからなる二重圏を用いて、随伴のhomによる特徴づけや重み付き余極限、pointwise Kan拡張を、セルの普遍性と貼り合わせによって捉え直す。

さらに、豊穣圏や内部圏、圏の大きさに関する問題を手がかりに、virtual二重圏とその拡張へ進み、現代的な形式的圏論のフレームワークを紹介する。そのあと、講演者の研究として、bivirtual二重圏を用いて、普遍性によって定まる合成を、元のセルの情報を保ちながら可逆セルによる表現として実現するactualisationの問題と、その存在定理を紹介する。最後に、四辺に射の列をもつ図式を扱うimplicit二重圏を導入し、弱い合成を表現可能性として捉える見方と、そこから得られる関手の概念を述べる。

圏論の基礎知識を仮定するが、二重圏の予備知識は仮定しない。

倉橋広季(東京大学)

作用代数

モノイドの圏から(Cat/Set)^op への作用の関手は左余極限を保存し, 忠実充満である. ほかにこのような例はないかについて考える.

河瀬 悠人(京都大学 数理解析研究所)

Cocompletion under sifted colimits need not be finitely accessible

有限到達可能圏は、本質的に有限な対象からフィルター余極限を用いて全ての対象へ到達することができるような良い圏のクラスです。フィルター余極限をスィフト余極限に置き換えることでgeneralized varietyと呼ばれる類似のクラスが得られます。Adámek と Rosický らは、2001年に「generalized varietyは常に有限到達可能か」という問題を提起しました。この問いに対してAI-assistedな反例を構成することが出来たので、その概要をお話しします。

藤井 宗一郎(国立情報学研究所)

Universality of enrichment

任意のモノイダル圏 V に対し,V 上の豊穣圏を考えることができる。これらは,豊穣関手・豊穣自然変換とともに2圏 V-Cat をなし,豊穣 profunctor まで含めると virtual 二重圏 V-Prof をなす.これらの構成は,モノイダル圏と lax モノイダル関手のなす2圏から,2圏あるいは virtual 二重圏のなす2圏への2関手として捉えられる.本講演では,豊穣化を与えるこれらの2関手の性質を調べる.

豊穣化の基礎(enriching base)をモノイダル圏から virtual 二重圏へと広げると,これらの2関手はパラメータ付き右2随伴となる.これは,直観的には「終対象を保たないことを除けば右随伴である」という性質である.本講演では,この普遍性と,関連する virtual 二重圏に対する様々な構成について説明する.

本講演は Stephen Lack 氏との共同研究( 資料 )に基づく.

須田智晴(東京理科大学)

Joining of dynamical systems in Markov categories

力学系の研究に圏論を応用することは,想像以上に実り多いものである可能性が高い.そこで,本講演では,category theoristのための力学系への誘いとして,「Joiningを用いた保測力学系のエルゴード性の特徴づけ」という研究を例に,力学系の概念を圏論の言葉で定式化し,一般化する流れを紹介したい.

古典的な保測力学系の理論において,エルゴード性は基本的な概念であり,その特徴づけは複数知られている.その中でも,Joiningという概念を用いた定式化は圏論的な色彩を持つ.そこで,Joiningの理論をMarkov圏の力学系に拡張し,その応用例として一般のMarkov圏におけるエルゴード性との関係について考える.特に,通常は「力学系」と見なされない対象についても,力学系理論を展開でき,古典的な結果を拡張できることをみる.

本講演はS. Das氏との共同研究(資料)に基づく.

2026年11月3日(火・祝)

東田 京介(X: GengaQ SurvivoR)

マジで見て分かる!圏論入門!

講義スライド(PDF)

現在、数学コミュニティをさえ飛び出してさまざまな分野で注目されている圏論。

これについて、改めて基本的な用語・概念・考え方について整理することを目指す。

特に専門数学的な素地を持たない、分野外の者にも何か知見を持って帰ってもらえるように努めた。

教科書では明示的に触れられることの少ない、圏に対する第一の視覚的・幾何的直感を多くの人に持ってもらえることを願い、豊富に図を採用した。

とりわけ豊かな例である、前層の理解を養成することに力を入れている。

圏論は単なる抽象論ではなく、とても身近な幾何的な感覚に立脚した素朴な概念であること、そしてその抽象論の長射程たることを感じてもらえれば幸いである。

神谷幸太郎

TBA

TBA

渡辺祥則(民間企業エンジニア)

Trasformer の圏論、特にSMCC(対象モノイド閉圏)とマルコフ圏の組み合わせとして と関連研究

単層Transformerの圏論的な構成的記述を提示する。自己注意機構における値(value)の経路は、対称モノイダル閉圏(SMCC)における射として捉えられる。この圏の内部言語は乗法的直観主義線形論理(MILL)であり、線形近似の下では、コンテキスト内計算(in-context computation)を線形ラムダ項として解釈することが可能となる。

MLP(多層パーセプトロン)は非線形な実現写像として機能し、経験的にはkey-value memoryとして振る舞う。残差接続(residual connection)は加法的コピー(双積における対角射)を提供しうる。これは、コピーを禁止する乗法的対角射や、指数モダリティ(exponential modality)と比較すると、正当なものではあるが、より弱い概念のコピーである。ソフトマックスを用いたアテンション行列は、マルコフ圏(分布モナドのクライスリ圏)における射であり、値の混合はそれに関連する代数(期待値演算)の作用として記述される。

結論として、Transformerのレイヤーは、単一の閉圏としてではなく、マルコフ圏とSMCCの合成に、加法的かつ非線形な層を加えたものとして自然に記述できるものと主張する。

当日発表資料:資料

日野 一葉(筑波大学)

層と数学的構造

数学の様々な分野で現れる層の概念と層の圏における一階論理式の解釈について紹介を行う。

2026年11月4日(水)

木原 貴行(名古屋大学 大学院多元数理科学研究科)

トポスとロジック

数理論理学と関わる幾つかのトポス理論のトピックについて話す.

前半では,構造のモデル理論的性質と構造の圏上の原子トポスの論理的性質の興味深い繋がりを紹介する.

後半では,実効トポス上のLawvere-Tierney位相を計算論的オラクルと対応付け,様々な幾何射のクラスがどのようなオラクルと対応するかを解説する.

豊田陽基(東京大学 大学院数理科学研究科)

Fibered Pretopos Completion

Exact/pretopos completionはtopos(-like category)を構成する非常に基本的な方法であり、さまざまな変種が知られている。本公演ではそれらの構成をfibered categoryの言葉を使って統一する方法を示す。

この方法は①非常に強い意味で構成的である②exact completionの枠組みに入れることはできなかったrelative schemeなどを例に含む、などのいくつかの利点が存在する。

最後に時間が許せばこの方法を∞-圏に拡張するときの本質的な困難について話す。

赤坂奎茉(千葉大学)

Ionads : dual for topoi

TBA

鈴木唯乃(東京理科大学理学部第二部数学科)

Gestalt の理論の紹介

Gestalt は高次圏の言葉のみを用いて定義される新しい空間概念であり、主に Scholze–Stefanich によりその理論が構築された。多様体やスキームをはじめとする既存の様々な幾何学的対象は Gestalt を定める。Gestalt の圏は、スキーム論での可換環に対応するような Stefanich ring という対象のなす圏の反対圏(すなわち "affine object" のなす圏)として定義されるのにも関わらず、すでにトポスのように振る舞っている。これは通常の可換環の圏の反対圏は全く持たない性質であり、特筆すべき現象である。

本発表ではこの Gestalt の理論の中心概念、特徴的現象、応用について、細部には立ち入らずに概観することを目標とする。

市川航士郎(名古屋大学情報学研究科数理情報学専攻修士2年)

TBA

TBA

鈴木遥人(名古屋大学)

Virtual ultracategories as generalized multicategories and their AVDC

位相空間は、点と超フィルターとの間の収束関係に注目することにより、関係β-代数という構造と同一視できる。近年、Saadiaは、関係β-代数を2-値の収束関係を集合値の収束関係へと置き換えることにより高次化して、virtual ultracategory(VU-category)という構造を導入した。同時期に、Hamad、van Gool–Marquès–Tarantinoも、同様の構造を独立に導入した。よく知られた、位相空間の圏とロカールの圏との間の随伴も、VU-categoryの2-圏とトポスの2-圏との間の2-随伴へと高次化できる。

本発表では、VU-categoryを簡単に概説した後、VU-categoryはCruttwell–Shulman型generalized multicategoryとして記述できる、ということを説明する。さらに、これによりVU-categoryのAVDCという概念を自然に得るが、これに関するいくつかの結果を紹介する予定である。

参加者一覧

2026年10月29日現在.○は参加予定です.

参加日
氏名・所属
齋藤湊馬工学院大学情報学部—○○
鈴木裕介東京大学大学院数理科学研究科—○—
豊田陽基東京大学 大学院数理科学研究科○○○
中上陽向筑波大学理工学群物理学類○○○
安福智明岐阜大学—○—
田口良輔放送大学大学院(2026年10月入学予定)○○○
前原 悠究東京都立大学○○○
成瀬 瑛都立命館大学 理工学部 数理科学科—○—
黒木 亮汰東京大学○○○
立澤正博丸善出版—○—
神谷幸太郎—○—
郡 茉友子京都大学○○○
浅山壱斗千葉大学理学部情報数理学科一年—○—
永江哲朗インフォサイエンス株式会社○○—
富澤綾太信州大学理学部数学科○○○
市川航士郎名古屋大学情報学研究科数理情報学専攻修士2年○○○
米田豊京都大学○○○
稲垣秀梢大阪公立大学理学部数学科○○○
藤井 宗一郎国立情報学研究所○○○
平山諒次名古屋大学大学院多元数理科学研究科 多元数理科学専攻○○○
高木修造ZEN大学(学部2年)、一般社団法人コード・フォー・ジャパン○○○
渡辺祥則民間企業エンジニア—○—
白井昌弘東京理科大学理学部第二部数学科—○○
増岡 佑紀横浜国立大学 理工学部 物理工学EP○○—
荒武永史小山高専○—○
飯島野愛立教大学○○○
川崎明暉人立教大学理学部数学科—○—
中澤友希立教大学—○—
赤坂奎茉千葉大学○○○
今村悠希大阪公立大学数学研究所○○○
木下翔北海道大学理学部数学科○○—
橋本拓郎千葉大学○○○
細田和範慶應義塾大学大学院文学研究科○○○
栗 原雄一NPO法人INF(全国異業種グループネットワークフォーラム)—○—
小川尚悟屋久島おおぞら高等学校—○—
鈴木瞭東大数理M2○○○
田口誠所属なし○○○
河瀬 悠人京都大学 数理解析研究所○○○
木村奏斗青山学院大学 理工学部 数理サイエンス学科 1年○○—
五十嵐匠海42tokyo—○—
川手 知拓ZEN大学 知能情報社会学部—○—
長田悠生筑波大学 情報学群 情報科学類○○○
新井 雄登東京大学大学院数理科学研究科○○○
平田賢吾千葉大学○○○
谷﨑 航京都大学数理解析研究所○○○
鈴木遥人名古屋大学○○○
内藤 かれん東京理科大学理学部第一部数学科—○—
大塚陽太日本郵政グループ—○—
日野 一葉筑波大学○○○
叢悠悠東京科学大学—○—
黒須健斗東京科学大学数学系○○○
西方 友哉一般企業—○—
須田智晴東京理科大学○○○
Yuko Murakami立教大学○○○
青木英ZEN大学—○—
小川真斗東京都立大学大学院○○○
荻原 祐介東京科学大学 数理計算科学系—○—
星野恵佑RIMS○○○
宮川 遥斗東京都立大学 理学部 数理科学科○○○
小倉卓也東京大学理学部数学科4年—○—
鈴木唯乃東京理科大学理学部第二部数学科○○○
一木輝東京大学理学部情報科学科—○—
青木 邦弘気象研究所○○—
倉橋広季東京大学○○○
大宮佑介一般—○○
若槇洋平一般企業—○—
三好博之京都産業大学理学部数理科学科○○○
高橋克典社会人(株式会社CreateArk)○○○
成田智也大阪大学人文学研究科言語文化学専攻—○○
池田侑登東京大学○○○
金相佑東京大学 数理科学研究科○○○
近藤亮介株式会社JIJ—○○
宮部賢志明治大学数学科—○○
山田鈴太電気通信大学○○○
北村隆之介東京大学理学部数学科3年—○○
カトウユキコ東京科学大学—○—
かんころドルトン東京学園○○○
上原史皓東京科学大学——○
平井謙信京都大学○○○
酒寄 健東京大学○——
氏名非公開2名4名2名
申込者 合計51名81名53名
コミュニティ議論
  • AIとの関係
  • 今後の運営
懇親会
日時
2026年11月3日(火・祝) 18:00–21:00(17:30入場可)
会費
学生3,000円・その他8,000円

連絡

運営:前原 悠究,藤井 宗一郎,洞 龍弥,河瀬 悠人,星野 恵佑,鈴木唯乃,ZEN大学研究支援科